う~ん・・・恐ろしい。全身麻痺、呼吸停止におちいっても意識は明白のままってところがさらに恐ろしい・・・
まぁ、しっかりと処理し、内臓さえ食べなければ・・・
た・ぶ・ん 大丈夫でしょう。
ちなみに。
前回「クサフグしか釣れなかった」と言いましたが、
スマンありゃウソです。

全身が黄色見がかり、目の赤いこいつは、
ヒガンフグです。
クサフグと同様、筋肉以外は全身毒入りです。
今回はこいつも一緒に食べてみましょう。
捌くのは釣り場で行います。
頭から包丁を入れ、背骨まで切り込みを入れたら
ムシムシと頭、内臓ごと皮をはぎます。
内臓を完全に除去し、海水で血を洗い流したら、
頭と内臓をすり潰して海に返してあげましょう。
「フグ調理師の免許が無いと違法なんじゃないの??」と思われる方もいらっしゃると思いますが、
免許が必要なのは、
フグ料理を客に提供する場合です。
自分で調理する事は違法ではありませんが、何があっても自己責任です。
(※地方自治体によって違いがあります。)

後は身をサクにとって、そぎ切りにするだけなのですが・・・・
う~む・・・。皮と身の間の筋膜は完全に除去するべきか・・・?クサフグの可食部について、人によって言うことが違います。
例えば、
血は猛毒と言う人がいれば、
無毒と言う人もいます。
ヒレは危険と言う人がいれば、
安全と言う人もいます。
筋膜はしっかり除去すると言う人がいれば、
そのままでOKという人もいます。
・・・・
あれこれ考えても仕方が無いので、今回は筋膜の付いた状態でいただきましょう。ただし、一遍に食べるのではなく、
初めは3切れ。30分間をおいて問題が無ければ10切れ・・・・と、
毒見しながら食していきます。

ほいじゃま。
いただきます。
ほ!!
これは!
コリュッコリュッと歯を押し返す弾力に満ちた食感ン!
サバフグとは比べ物にならないほどの甘み!味の濃さ!んンっ!!
抜群においしいぃぃぃ~~~!!さらに極々薄いピンク色をしたヒガンフグ!
これはクサフグよりも、さらにねっとりと甘みがあって、トラフグよりも・・・旨いのでは!?・・・・・
っと、結局全部食べちゃいましたけど、
異常はありませでした。てか、食べた後すぐに寝てしまったので、症状が出ていたとしても気が付かなかったでしょうが・・・
ともかくクサフグ。
旨いです。次は骨付きでから揚げ・・・
アラで出汁も取りたいなぁ・・・
これは今後も続けなければなるまい。クサフグ料理と言う名の


「え?このクサフグ?」
「まぁ、
前食べたときは大丈夫だったし・・・」
「今回もたぶん大丈夫でしょ。」 | ・・・。 それに、クサフグって言っておきながら、一匹変なのが混じってるわよ。 全身にトゲが無いからこれって『ショウサイフグ』じゃないの?
|

「あ。本当だ。」
「まぁ、ショウサイフグも身は弱毒だから・・・・」
「
多分大丈夫でしょ。」 | (・・・これはちょっと、指導が必要みたいだわね。)
|
「まず、誤解されがちだけど家庭でのフグ調理は別に規制されていないわ。」
「よく
『フグの素人調理は違法』って言う人がいるけど、別に違法ではないんだわ。」

「あまり盲目的に
『危ないからダメ!』って風潮は、
食文化の多様性を否定している上に、
何よりも若い人の考える力を奪っていくことに
繋がるので危険だと思うの。」
でもね・・・
自然毒を舐めてはだめよ。特にフグ毒はね・・・
テトロドトキシンは神経伝達物質を遮断する動物性自然毒。
初めは指先や口の軽い痺れから、運動麻痺、嘔吐、言語障害、
そして全身麻痺、呼吸困難と急速に症状が進んでいくのだわ。

この時点で人工呼吸器と強心剤による延命治療を受けられなければ、
死亡率が跳ね上がるんだわ。
さらに恐ろしいのは、
死ぬ間際まで意識が明白ってところね・・・
助けを呼びたくても指一本動かせない・・・
呼吸困難になり苦しくても声も出ない・・・
次第に心拍が弱まると血流が低下し、
足先から冷気がすぅー・・・っとのびてくるんだわ。

ジビエ君?そんな死に方したくないのなら、
毒に対して、『たぶん』なんて言葉を使ったらだめよ?
「ああわわわわわああわわわ・・・き、気をつけますっ!」 | ・・・じゃあまず今回の喫食するクサフグは何グラム?
|

「え~・・・100gですね。」

 | 致死量は厳し目に設定されているし、あなたは体重があるから大丈夫だと思うけど、 毒は人により感受性が違うわ。 ここは50gにして、のこりは8時間後に食べるのだわ。
|

50g・・・こんだけ。
でもクサフグは本当に美味しいっ!身が締まってシコシコと歯ごたえがよく味わいが深い!!
 | 自然から食料を調達するって言うのは、新しい発見や感動があって、 とても面白いライフワークなのだわ。 でも何度も言うけど、決して自然を甘く見てはだめなのよ?
|
「もちろんです!これからは『だろう』なんて言葉は使いません!!」
「あ!そういえばちぇりーさん!!」
「これ、『たぶん』クサフグの白子ですよね!これも弱毒だから煮付けにでも・・・」

\ごちそうさまでした!/
次回・・・!遂にあいつが!ダメならまたクサフグがっ!!
ワンクリック頂けると幸いですっ!

(クサフグの可食部、計430グラム・・・)
 | ジビエ君・・・・ またクサフグ釣ってきたの?好きなのねぇ~
|
「いえ。別に好きで釣ってるわけでは・・・まぁ、美味しいから食べるんですが。」
 | クサフグは身に弱毒があるから、 食べる量には気をつけてないといけないのだけど・・・
|
「わかってますって。この前と同じ
50グラムずつ食べますよ。」
 | いえ。今日は100グラム摂取するんだわ。
|
「・・・なぜ?」 | 100グラム・・・摂取するんだわ。
|
「・・・は、はい。」