マテ貝がなかなか出てこないことに痺れを切らせ、
そこらじゅうをスコップでほじくり返していると
半透明のピンク色をした怪しげな生物を発見・・・
・・・・んん!?ここここここコイツは!!
コウジじゃねぇか!!釣りを全くされない方には、ただの気持ち悪い生物にしか見えないと思いますが、実はこいつ、
真鯛、石鯛、スズキ、マゴチ、ヒラメ、カレイ、アイナメ等、
大型高級魚の特効餌です。さらに驚きなのはその値段。何と1匹200円。周囲の地面を念入りに調べてみると、
こいつの糞らしい物がそこら中にあります。
うおぉぉぉぉ!
金脈じゃぁぁぁぁ!!うえっへっへっへっへっ・・・・
こりゃ、春からの釣りが楽しみじゃ!しかしせっかく捕まえたコウジ、今日は釣具を持ってきていません。
リリースするのは、ちょっと勿体無いので・・・
・・・食べちゃいましょう。
2時間で5匹。
マテ貝そっちのけで本格的に採取したら、1時間で10匹はいけそうです。

それでは初めて出会う獲物は
セオリー通り刺身で頂きましょう。捌き方はわかりませんが、
こいつ見た感じ
攻撃力も防御力も0ですから、
内臓を除去すれば問題ないでしょう。
とりあえず包丁の先っぽでお腹をツン!
プチュ!
うっ・・・グロイ・・・!!『このわた』のように長い内臓には、糞がびっしり詰まっています。
内容物を除去すれば、消化器官も食べられそうですが・・・
ちょっと・・・パスさせてください。
ちなみに
ユムシと
コウジは、姿形がよく似ていますが、
どうやら別物のようです。(wikiには同じ生物と書いてありますが・・・)
ユムシは千切ると
血のような体液が飛び散り
コウジは上図のような
透明な体液が飛び散ります。
また、さきっちょに生えている『毛』の数などで見分けられるそうです。
そう言われても、よくわからないですけどね・・・。
今回コウジを食べてみようと思った理由は、
『ユムシは韓国などで食用とされている』と聞いたことがあったためです。
インターネットで『コウジを食べる』と言う直接的な記述は見つかりませんでしたが、
似たような生物なので喰えないことはないでしょう・・・たぶん。

内臓を綺麗に除去して、水で軽く洗います。
処理すれば見た目は
『貝』のようですね。
ともかく、
いただきます!
くに・・・・・
くにくに・・・・・くにくにくにくにくにくにくにくにくにくにくにくにくにくにくに・・・・・ごっくん・・・・。・・・・・
噛み切れませんでした。
厚い牛ミノのような食感です。
問題の味ですが・・・・
う、ウメェ・・・!咀嚼するごとに、赤貝に似た甘みが染み出します。
臭みや癖などは全く無く、
姿形からは全く想像が出来ないほど、お上品な甘味が感じられます。う~ん・・・意外だ。
魚が喜んで喰うわけだ。
残りのコウジは火を通して見たいので、天ぷらにしてみましょう。
んん~・・・・?
火を通せば食感に変化があると思いましたが、刺身と変わりませんね。相変わらず身が噛み切れないのでひたすら咀嚼・・・
くにくにくにくにくにくにくにくにくにくにくにくにくにくにくに・・・・・衣がはがれ油っぽさが消えると、
身からヌメっとした体液とともに、
刺身で感じた甘さが・・・
なるほど・・・・どうやらこの甘味の出所は、体表から出る粘膜のようですね・・・。コウジの姿を知ッた上で、粘膜に味があるなどと聞くと、
発狂するぐらい気持ち悪がられる方がいらっしゃると思いますが、
姿形がどうであれ、コウジは旨い。
ただ、あの姿とこの旨みから、
肉を食べれば万病に効くといわれる妖怪ぬっぺふほふのイメージが、頭から外れないんですが・・・。

\ごちそうさまでした!/
マテ貝料理回じゃないんかっ!と思われた方、
当分先送りになります・・・ごめんなさいね。
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今日も今日とて干潟参り。
・・・しかし今日はマテ貝掘りで来たのではありません!!
狙いはこのユムシ!
ふふふ・・・・
前回は数匹しか発見できませんでしたが、
今回は大量採取を狙う作戦があるんですよ!
まずは居場所の特定。
前回、内容物を確認した際に、
ユムシの『糞』を特定しました。

この糞が大量にある穴がユムシの住処になります。
次に特定した巣穴に海水を注いで踏みつけて見ます。
コウジは地面をUの字型に掘る習性があるため、
どこかの穴から海水が滲み出てきます。

上図では手前の穴に海水を注いで見たところ、
奥にある穴から海水が染み出してきました。
つまり、この直線状にコウジが潜んでいるはずです。
この線上を大型シャベルで、40cmほど一気に周りの土を掘り返します。
すると・・・
うははは!簡単に発見!
名づけて、バンカーバスター採取法!
さぁ!この調子でどんどんほじくり返してやるぜ!ザクッ!・・・ザクッ!・・・ザクッ!・・・・・・・あ!

ユムシ・・・・が・・・そこに!?おおお・・・・
うぉぉぉぉ!折角のユムシがぁぁぁ!バンカーバスター採取法では手早くユムシを見つけられるものの、
シャベルが身を切り裂いてしまったり、土を盛り上げたときに圧死してしまう事故が
多発してしまいました。
と言うわけで、巣穴付近を垂直に掘り下げ、そこから横穴を堀進んでいく
シールド工法を採用することにしました。・・・ちょっと面倒ですがね。
約1時間後・・・
ユムシの採取結果は・・・
27匹!これだけ短時間で採取が可能だと、
釣餌採取としての費用対効果は十分高いですね!!しかし、そのうち10匹は事故死。

ここは鎮魂の意を込めて
頂いちゃいましょう。腹を割って内容物を綺麗に洗い流し、
塩で揉んで、ある程度ヌメリをおとします。

手ごろな大きさに切ったユムシを三杯酢につけ、
大根おろし+唐辛子で紅葉おろし、
子ネギを散らせて完成!
ナマコ酢ならぬ『ユムシ酢』!いただきます!・・・ん!やっぱり美味!!初めは全く味がありませんが、噛み続けることでじんわりと甘味が出てきます。
・・・しかし、今回は酢で〆たはずなのに、
食味は全く刺身と変わりません。
調味料で味を整えるというよりか、
元から持っている食感と甘味を楽しむ、
完全に酒の肴ですね。
さて。残った17匹のユムシの利用法ですが・・・
今回は別に食べるために大量採取をしていたのではありません!!

春まで待つなんて悠長なこと言ってられない!!
私は竿が出したいんだっ!!
次回、天然ユムシを使った投げ釣りに挑戦!スズキ!?カレイ!?アイナメ!?
それとも真鯛!?
激シブ真冬の瀬戸内海で高級釣餌を手に大型魚を狙い打ちっ!!(ネタばれ:何も釣れません)
ドキドキワクワクの釣り編を、乞うご期待!!
\ごちそうさまでした!/
ネタばれ:やっぱり次回もユムシを食べます。
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