~今日のジビエ~ 雷魚のムニエル+雷魚の澄まし汁
ワニののように硬い皮を剥ぐと、きれいな厚みのある肉が取れました。
皮が硬いことと、浮き袋が尻尾まで伸びている変な構造、骨が変なところについているため、
非常に捌き辛いですね・・・。
今回、半身は冷蔵し、もう半身はムニエルにしたいと思います。
初めての雷魚料理なので、どんな味付けが合うのかわからなかったこと。
そして
家にバターしか食材が無かったことが、今回ムニエルに挑戦する理由です。
ムニエルの調理法は
ナマズのムニエルと同じです。
さて。アラは澄まし汁にします。
これは、なるべく本来の味を確かめたいという理由から、
初めて食べる獲物のアラは必ず澄まし汁にしています。

左が中骨。右が胸ビレです。
胸ビレは非常に肉厚。
これは魚類とは思えない筋肉です・・・
アラを湯にくぐらせ霜降りをした後、水と酒少々で出汁を取っていきます。
ここで、ちょっと異変に気がついたので、醤油は入れませんでした。<いただきます!>
まずはムニエルから・・・。
うん。
おいしい。
生体の雷魚にある臭みは完全に感じられません。
肉質は筋繊維ごとに薄くはがれ、タラの身のような食感です。
しかし、非常にしっかりとした肉質に、火を通すことで食感が固くなりすぎてしまいました。
洋風の味付けにも・・・・イマイチっと言ったところでしょうか。
さて。
雷魚の澄まし汁・・・・。
なんだ・・・この濃厚な香り・・・
そして・・・このうす黄金色に輝くスープは・・・・!?一口すすってみる・・・・
うまい!うま・・・うますぎる!!!!酒だけで出汁を取ったとは思えない複雑かつ濃厚な甘みを持つ出汁・・・
いや。出汁ではなく、この複雑さはもはやスープ!!あふれ出る生命力が溶け込んだ極上スープ!!アラに残った身・・・
固い肉質がスープでゆでられることによって、ほっこりとした食感に!!胸ビレも絶品!!これは驚いた・・・
この絶品スープ・・・
そして煮るといった料理法で、ここまで食感が違うとは・・・
<ごちそうさまでした!>
仕事が終わり、いそいそ帰宅。
以前
活かしているナマズを死なせているため非常に心配です・・・
今回はエアポンプを固定し水量も多めにしているため、たぶん大丈夫だと思うのですが・・
玄関を開け、急いで風呂場に。ナマズ!元気か!?
ナマズ・・・元気に泳いでる!が!雷魚がいない!!走って逃げたか!!!
んなわけない。
どうやら、跳ねて30cmほどの壁を飛び越えたようです。
いや~・・まさかこの壁を越えるなんて・・・
いくらなんでもパワーがありすぎだ!散らばっているうろこ。
床と壁には乾いた粘膜がべっとりと。
そして風呂場に転がっている雷魚は、
からからに乾いている・・・見た感じ、飛び出して
5時間以上は陸上に上がっていたみたいです・・・・
しっかり蓋閉めとかないとだめだったな・・・・ごめんね・・・・雷魚・・・・
だがね。どっこい生きてる雷魚です!
実は雷魚は陸上で呼吸のできる魚です。
それは知っていたとはいえ、
いくらなんでも生命力強すぎでしょ!しかし、長時間の陸上で致命傷を受けているようです。
泡を吹き、横になり、意識が朦朧といった状態です。
うーん・・・今日はナマズを捌く予定だったのですが、この状態では長くは持たないでしょう。
楽にしてあげましょう。
致命傷を受けて弱っているとはいえ、網で掬うと
大暴れします!
クーラーボックスにいれ、
氷責めにしてもまだ暴れる!
最終手段!
ハンマーで頭を滅多打ち!気絶したところで一気に頭を落とす!!
弱っていてこの体力。フルパワーの雷魚に勝てる気がしない!
なんとか三枚におろすことができました・・・
今回は・・・うーん。
とりあえず半身をムニエルにして、アラで澄まし汁を作ります。
前回の
雷魚の澄まし汁は、
濃厚で香り高き出汁に驚かされました!そこで今回は、雷魚の半身をトムヤムスープで煮て、
トム・ヤム・プラーチョーン(雷魚)を作りたいと思います!世界三大スープといわれるトムヤムスープ。果たして、そのレシピとは・・・・・!
レトルトです!いや!
どうしてもコリアンダー、レモングラスが手に入らず、
ナンプラーやココナッツミルクを他に使える当ても無く、
そこまでお金をかけてまずかったら泣くし・・・・本格的なトムヤムスープは、今回の料理の出来次第・・・・ということで・・・・

レトルトには、トムヤムペースト、豆板醤ベースのスパイスソース、ナンプラー、各種ハーブが添付されています。
雷魚は血合い骨を落として、適当にブツ切りにします。
アラのスープを使いたかったのですが、デフォルトの味を知りたいため、使いませんでした。
・・・・ってか、ほとんど残ってないし。
トムヤムスープができたら、しめじと雷魚を投入し煮込んでいきます。
ある程度火が通ったら、牛乳、もしくはバターを少量投入し、味にマイルドさを出します。
<いただきます!>
余談ですが、チリスープに赤い皿を使うと、見た目がわるいですね・・・
盛り付けも、そろそろ気をつけるべきだと思います。
それはそうと・・・・
うほぁ~・・・・・う、うまそうだぁ・・・・・
まずはスープを・・・!
むぅ!!辛さ!
酸っぱさ!
甘さ!
そしてまろやかさ!複雑に味覚を刺激するが、
決してバラバラではない!
一体感のあるこのスープは、まさに味覚のカルテット!!そして・・・・
その複雑な味に負けず、しかし相反せず!
ムニエルのときとは違う、ほどよく柔らかさを持つ食感!
雷魚のうまさが溶け込み、まさに味覚のクインテッド!!うまい!
トムヤムスープにして最高の味となりました・・・。
川魚の好敵手。
雷魚に・・・
<ごちそうさまでした!>