鮮度三番・美味一番 『イノシシ醤肉』


ご覧下さい!


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この紅色鮮やかで、たっぷりと肉汁が乗った
獲れたて超新鮮なお肉ッ!!

狩猟を始める前は、鳥猟にしか興味がなかったけど、
こんなに素晴らしいお肉が手に入るのなら、
来期
絶対に、イノシシを追おう



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さて!こんな新鮮なお肉なら、
どのような料理でも美味必然!
ネギとシシ肉、味付けはシンプルに塩胡椒、
『シシ肉のネギ炒め』!

いただきまぁ~すッ!!








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う、ご!?こ、これは・・・!?)






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か、固いッ!!
特に脂身、まるで『蝋』を食んでいるようだ。
しかも・・・まるで旨みが無いッ!?

う、ショックだ・・・
イノシシの肉がこんなに・・・




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こんなに『荒くれただったなんてッ!?








新鮮という言葉に惑わされちゃダメよ!





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「!?」




「あ、あなたは
アルテミスさん!






今あなたが食べたのは『筋肉』
『食肉』とは似て非なる物。
筋肉を食肉に昇華させるには

『熟成(エイジング)』行程が必要よ。



「熟成・・・!
そういえば前に、フザンタージュという話を聞いた事がありますね。」




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「しかし、カモは丸のまま吊り下げておけばよかったですが、
貰った肉はすでに
部分肉にされていますよ?
この状態で、どうやって熟成させればいいんでしょうか?
さすがにイノシシ丸ごと冷蔵庫に吊るしておくわけにはいきませんよね・・・。」




鳥類と獣類で熟成の方法に大きな違いは無いわ。
気をつけないといけないのは水分を付着させない事!
筋タンパク質が分解される際、ドリップ(生体液)
が流出するから付着したままにならないよう注意してね。



「確か水分(自由水)が多いと微生物が繁殖しやすくなって
熟成よりも先に腐敗が進行しちゃうんでしたよね。」



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そうね。だから平置きする場合は、
設置面積が小さくなるようにバット網などを敷いてね。
保水力の高い紙オムツに巻くのも非常に有効よ。


「か、紙おむつ・・・。
でも、保水性の低いクッキングシートで巻いておくより
そっちの方が衛生的なのかも・・・。」





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・・・さておよそ2週間
ラップなどをかけずに、ドリップが付着していたらよく拭いて、
冷蔵庫に置いておいた肉がコレよ。






「うっ!なんだこれ!?」


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「乾燥してカチカチ、そして酷い色だ・・・」
(こんな肉、食べたくないなぁ・・・。)




腐敗の原因となる微生物は、肉の表面に付着しているわ。
だから、
あえて表面を乾燥させる事で腐敗を阻害しているの。
中までは乾燥していないから、ちょっと表面を削いで見なさい。





「こ、これはッ!!」



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「ななななんだこの脂身の輝きはッ!
鮮やかさと張りは無くなったけど、
しっとりとした触感ッ!
そしてなんという
妖艶な色合い!




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筋細胞に含まれる自己消化酵素『プロテアーゼ』等の働きで、
筋繊維が細分化して柔らかくなったのよ。
表面を乾燥させて腐敗を阻害しながら熟成するこの方法を
『ドライエージング』と言うわ。






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「・・・でも、結構歩留まりが悪いですね。」




真空パックにして微生物の消費する酸素を絶ち腐敗を遅らせる
『ウェットエージング』という方法もあるわよ。
歩留まりがいいので多くの商業肉で使用されているわ。



ただ、非常に危険な『ボツリヌス菌』
酸素が無くても増殖できる嫌気性細菌だから、
汚染経路となる土砂に触れる可能性の高いジビエには
オススメできない熟成法だわ。




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「よ~し!ではこのエージング済みのイノシシ肉をタコ糸で縛って
フライパンで焼き、


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ネギ、しょうが、にんにく、醤油、酒、砂糖(+おまけの卵)で煮詰めて・・・

完成!

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『イノシシ醤肉(ジャンロー)』!

うぉぉぉぉ!!
こいつはタマンネェーーーッ!!

肉、やわらけぇッ!旨みが段違いッ!!
特に脂身っ!
ブタに比べてくどく無く、
アッサリサラサラして
甘イッ!



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ご飯が消えていくッ!
いくらでも食べれちゃうゥ!!
シシ肉!こんなに素晴らしかったとは!!
俺、絶対来期はイノシシ猟をやるよ!!



熟成肉の作成は料理以上に重要な行程であり、
ハンターの腕の見せ所よ。
もし、ジビエをプレゼントする機会があるのなら
熟成肉の形で送ってあげるといいわよ。










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・・・俺ァ、いつまで吊るされてんだ?






あら。こっちも落ち着いてきたわね。
あなた一体どうしてあんなに暴れていたの?




アァ?
・・・そんなことオメェには関係ねぇだろ。




「そんな事言わずに教えてくれ!
イノシシ肉がこんなに素晴らしいとは思っても見なかった!

来期、自分の手でイノシシを追うために、
今のうちに色んな事を知っておきたいんだっ!





ハッ!
・・・・そんなに聞きたきゃ教えてやるよ。
俺はなぁ~・・・













swwweiyoku
  



・・・まだ吊り下げといたほうがよさそうね。








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イノシシ裏2


食べてみないと・・

猪肉を「美味い」と言う人と「不味い」という人がいますが、私を含め自分で獲って捌いた経験のない者からすれば、その肉がどのような個体で、どのように熟成されたか(またはされていないか)わからないので、本当に美味しい猪肉の味をまだ知らないのかもしれません。

しかし、そのジャンローが乗ったラーメンがあれば食べてみたいなぁ〜
豚骨じゃなく、猪骨ラーメンって美味いのですかね??

北Q州の豚骨ラーメン屋の裏に頭骨がバケツいっぱい入っているのを見たことがあります。
是非、頭骨丸ごと入れてつくってみてください!

[ 2014/05/07 12:55 ] [ 編集 ]

イノシシ良いなぁ…腹いっぱい食べてみたいです…。
しかし脂肪がそこまで固いとは思いませんでした。鹿はほとんど気にならないんですけれども、そもそも脂肪も少ないですが。
[ 2014/05/07 19:06 ] [ 編集 ]

肉は腐りかけが旨いとか知った顔して言う人いますが、
実際には僕達の食べてる肉が腐りかけなんですね(笑)
最初のお肉はすごく美味しそうに見えますが・・・
[ 2014/05/07 22:36 ] [ 編集 ]

Re: ぷかぷかさん

知り合いのハンターから大量の生肉を送られ、
食べてみると『硬くて旨みが無い』!
そのうえ「獲れたて新鮮やから旨いやろ?」とドヤ顔。
そんなこんなでイノシシ肉が嫌になる人もいるようですねw

『猪骨』
実は今期すでに挑戦しています。これ、結構スゴイですよw
実は次回で狩猟編最終回だったのですが、ボツにするのももったいないので、
リクエストにお答えしまして、次回は猪骨スープでいきましょう。
(手持ちの写真で構成できれば!)
[ 2014/05/07 23:39 ] [ 編集 ]

Re: RED さん

僕も筋肉は硬くても脂肪は柔らかいものだと思っていました。
ちなみに、全然関係ありませんが、熟成による筋肉や脂肪組織の変化って
未解明な部分が多いんですよ。

僕たちは脂肪は分解されると脂肪酸とグリセリンになると学校で習いましたが、
今年から脂肪酸と『モノグリセリド』に教科書が変更になったそうです。

へー。
[ 2014/05/07 23:56 ] [ 編集 ]

Re: ねぎ夫さん

『腐敗』と『発酵』は微生物の働きで分子鎖を分解する事で同じ意味ですが、
『熟成』は自己消化酵素やら時間経過で分子鎖が緩んでいくことなので、
腐敗(発酵)≠熟成ですよ~。

この辺りのお話は、『アカ○イ』を釣り上げる事ができれば、
ウサギさん達に説明してもらう予定です。

[ 2014/05/08 00:04 ] [ 編集 ]

豚の角煮が一番近い?

叉焼麺の焼豚が近い?

見てるだけでわな〜

食べてみんとな〜
[ 2014/05/08 20:11 ] [ 編集 ]

Re: れおんさん

叉焼(チャーシュー)は煮らずにグリルするので、
一番近いのは『煮豚』ですね。

醤肉(ジャンロー)は本当は脂の少ない肩ロースなどを
使用して焼かないらしいのですが、
『煮猪』よりも醤肉の方が語感が良かったので、
こっちの名前を取りましたw

嘘っこレシピで申し訳ございませんッ!!
[ 2014/05/09 08:17 ] [ 編集 ]

2週間寝かせて、トリミングするとこんな肉が出てくるんですか?

私も冷蔵庫で寝かせているつもりでしたが、1週間で臭ってきました。臭くなるのはやっぱり腐敗の方ですよね。次の機会には紙オムツに巻いて表面を乾かすようにしてみます。

そういえば本当の猪肉は赤いんですね。こちらはイノブタ系なので肉がピンク色なんです。肉の味も違うのかなぁ。
[ 2014/05/09 19:33 ] [ 編集 ]

Re: 海流美丸 さん

10月に一度イノシシ(キンタマとか食べる回)をネタにしました。
実はその頃からすでに、大量の肉を頂いていたのですが、
これまで記事を書けなかったのは
『満足できる熟成が出来なかった』からです。

僕もはじめ熟成は『冷蔵庫に放置しておくだけ』と思っていましたが、
菌は『対数』(2倍3倍・・・ではなく、10倍100倍1000倍・・・)
で増えていくため、一度攻勢に出られると手の施しようがありません。
獲物を捕獲する、料理すると同等に重要で難しいのが熟成行程だと僕は思います。

熟成というテーマは『アルテミス』と言う専用キャラを用意していますので、
今後もドンドン取り扱って行きたいと思っています!!
・・・しかし、もう手元に研究できる肉がないので、来期以降ですね~
[ 2014/05/11 00:28 ] [ 編集 ]

あー!今やっと繋がった。
ずーっとひっかかっていた。

結論 おまけ重要
[ 2014/05/11 06:41 ] [ 編集 ]

れおんさん

そうなんですよ。
オマケ(解説)が無いと、話のオチの意味がわかり辛かったですよね。
急いでUPしようと思っていたのですが急用が入り遅れてしまい申し訳ございませんでした!
[ 2014/05/11 21:35 ] [ 編集 ]

うわあああああああああめっちゃうまそうです!!!!!!!!
[ 2014/05/12 00:02 ] [ 編集 ]

Re: あいきょ さん

Welcome to this UMAI time!
ジビエの世界へようこそッ!
[ 2014/05/12 08:28 ] [ 編集 ]

Re: トン助 さん

コメントに鍵がかかっていたので、こちらで回答いたしますw

さて、解体4日目の猪肉をエイジングされているとのことですが、
『おしめ』の最高エイジング期間はだいたい1週間です。
それ以上になると熟成より腐敗の方が早く進むため、冷凍するか
食べてください。
エイジング完了は、肉が『鮮やか赤』ではなく『くてっとした朱色』
になったぐらいです。ちょっとわかり辛いですかねw
肉の表面がヌメヌメし始めて腐敗臭を出していたら、
その部分だけ切り取って早めに食べてください。

良いジビエライフをw!
[ 2017/01/27 12:47 ] [ 編集 ]

お返事ありがとうございます!
心配になっておしめを外して見たら、
ハンターさんの処理が良かったのか、おしめにはほとんど血や汁がつかず
肉の表面はサラッとしていました。
新しいおしめに包み直し、ポリ袋の空気をできるだけ抜いて冷蔵庫に戻しました。
明日か明後日あたりはおしめを外して料理してみます。
いろいろな部位があるようなので、味噌漬けと焼肉がいいかなぁ…

うまく出来たらご報告させていただきますね!
[ 2017/01/30 13:49 ] [ 編集 ]

Re: トン助 さん

クリーンキルができた獲物は、体内のストレス物質が少なく
ドリップの流出も少なくなるそうです。
凄く腕のよい猟師さんなんですねw
料理のお話も是非お聞かせ下さい~
[ 2017/02/01 23:03 ] [ 編集 ]

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