猫またげない『アイゴの三夜干し』

(釣り編はこちら!)


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『アイゴ』
漢字では『藍子』と字が当てられています。
青くも無いのになぜ藍?


英名は『Spinefoot(トゲトゲの足)』。
または、鼻と口の感じがウサギに似ている事から
『Rabbit fish』と呼ばれているそうです。





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ウサギ・・・ですかねぇ?
ん~、僕はオウムっぽいと感じますね。



あ、でも釣り上げた際、鼻をヒクヒクさせる感じが
ウサギっぽくはありますが。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~







「さ、今日はよく釣れたし、そろそろ帰ろうかね~・・・・

 dodododododod.jpg
・・・ん?なんだこの音は?


う、うわぁぁ~~!あ、あいつは!


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「お魚咥えたドラ猫だッ!!」
「いかんッ!このままでは、
折角釣った魚を咥えられてしまうぅ~!!







あいずひゅーんご

「頼んだぞアイゴッ!
ヤツを食い止めてくれェ~!!」




nekomatagi.jpg



「・・・・。」



456456ャ無視するなバス











ち、ちくしょーーッ!
どいつもこいつも、俺をネコすら相手にされない
『ねこまたぎ』とか言って無視しやがって!!






「う~ん・・・そうなんだよな。
特に関東では評価が低すぎるんだよね。
隣で釣ってたオッさんなんて、釣れたアイゴを
『この魚は喰えんわッ!』
って大声出してケリ捨ててたし・・・もったいない。」





実力を発揮するチャンスも無いって・・・
泣けてくるぜ。



「・・・よしッ!今回は名誉向上のためにも、
アイゴ料理の『3つのポイント』を踏まえて、
関東のネコ達も旨さに驚く、
超絶品料理を作るとしますか!!」








ポイント1.毒針を切断

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アイゴの背びれ、胸ビレ、尾びれには強い『刺毒』があります。
なにはともあれ安全のために、釣ったら直ぐに毒針を切断するのですが、
ここで気をつけて頂きたいのは、地面に寝かせて
針外しや毒針切除をやってはいけない事です。

なぜなら海中で凄い引きを見せるアイゴ、
陸上でも結構な力で暴れます。

跳ね上がった拍子に刺される
ケースが
非常に多いので
注意してくださいね!





がっかり

・・・ま、まぁ、アイゴに刺されても死ぬことはありません。
ゴンズイ様は殺意に満ちた毒を持っていますが、
アイゴの毒はミツバチのような教育的指導のための毒です。



http://item.shopping.c.yimg.jp/i/k/fuga0223_gm-1856
と、言うわけで、アイゴを狙うならば、しっかり魚体をロックできる
『フィッシュグリップ』『アイゴバサミ』などのツールを用意しましょう。

しかし、アイゴが偶然釣れてしまった場合や、
「こんな物に金だしたくねーよッ!!」
と言う、私のようなガメツイ人のために、
安全にアイゴを扱ういい方法があります。

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まず、尾っぽを踏んで動きを止めたら・・・



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エラブタに指を突っ込んで、正面から頭を鷲づかみにします。
このようにガッチリと頭をロックすれば、
激しく動かれても毒針が刺さる事はありません。
また、流石のアイゴも頭をふん捕まえられたら
『ギョッ!』と驚き、おとなしくなります。






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ちなみに、背びれの先頭には一本、前方に向いた『隠れ剣』があります。
頭を掴んでいれば刺されることはありませんが、
調理中にウッカリ触れてしまうことが多いので、

切断を忘れないように
注意してくださいね!



がっか22り




ポイント2.内臓を除去

尻ビレの毒針まで切り落としたら、返すハサミで肛門からエラブタに向かって裂き、
緑色の渦を巻いている消化器官ごと内臓を取り外します。





ここまで急いで内臓を取り出さないといけない理由、
それは、アイゴはパワーこそあれどストレスには非常に弱い魚で、
陸上に上げるとすぐに死んでしまうからです。

また、海草を主食とする藻食性魚類であるアイゴは、
海藻を分解する特殊な腸内細菌を保有しているのですが、
コイツらは宿主が死ぬと、活動に歯止めが利かなくなり
とんでもない悪臭を発します。






この過程、除去した内臓をしばらく放置するとジュクジュクと汁が
にじみ出てくるので観察できます。
もうこの臭さといったら、
嗅ぐと嘔吐中枢をガィンガィン刺激する
アンモニアと硫化水素の混じったカストール臭・・・
例えるならば
『腐った二日酔いの下痢便です。(下品なので伏字)

また腸内細菌が活動できるように、アイゴの消化器官は
強いアルカリ性に保たれているのですが、
死んで代謝機能が低下すると、浸透性の高いアルカリ成分が筋肉に染み出し、
タンパク質と分解反応が起こして『アンモニア』を発生します。
アイゴの地方名に、バリ、ヨネスバイ、ションベンタレなど
『おしっこ』を連想させる言葉が多いのはこのためです。








ポイント3.寝かせよう
さて!アイゴを持ち帰ったらもう一度全体をチェックしてみましょう。
嗅いで不快臭はありませんか?

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あ、ちなみに。
ネット上には『アイゴは鱗のない魚』という記述が多く見られますが、
そりゃ嘘です。
実際は『円鱗』と言う非常に細かな鱗がビッシリついています。
そして、この鱗がアイゴの皮から漂う
海草を煮詰めたような独特な磯臭さの原因だったりします。

料理をする際は、この鱗を全部とれば臭いが緩和します。
「この磯臭さがイイ!」と言う方もおられるそうですが・・・
ん~・・・僕は取りますね。







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さて、ココまで準備が出来たら、
いよいよ料理に~・・・・



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取り掛かりませんッ!
釣ったその日は料理しません。
3つ目のポイント、それは『熟成させる事』です!!

実はコレがアイゴを美味しく頂くための、
非常~ッに重要な行程です。




このブログをご覧頂いている方の中には、
これまでアイゴを釣って食べられた方も多いと思いますが・・・
美味しかったですか?

正直な話、僕は何度か釣り立てのアイゴを刺身や煮つけで食べてみましたが、
(食感はコリコリしてるけど旨みが少なく磯臭い。
てか、下処理の苦労に見合わないな。)
と思っていました。


imgp7sdfs872.jpg
しかしッ!ある時、冷蔵庫の中にほったらかしてた
アイゴの切り身を一口食べて、
その美味さに激震ッ!!

気になっていた磯臭さも、どこと無く昆布に似た
ふんわりとした風味に落ち着いていました。


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このように、寝かせることで真価を発揮するアイゴ。
そしてッ!一番旨みを引き出せるアイゴ料理が、
2日冷蔵庫に放置し、立て塩をしてもう1日冷蔵庫で寝かせる

『三日干し』です!!



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三夜干しして皮目をパリッと焼いたものがこちら、
香ばしい昆布のような芳香・・・むむ~ん、

完成ッ!『アイゴの三夜干し』!!


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ご覧下さいッ!
この
ムッチリと膨らんだ身と艶ッ!



むtっつつつt

箸で身を割ると、ぽふぅ・・・と身がほぐれ、
身離れは『カワハギ』のように良く、
食感は『キンメダイ』のように繊細かつ滑らかッ!!
味わいは『マアジ』を3段階引き上げたような・・・
言うなれば『臭くないクサヤ』の旨みと言うべきか!?


これは正に干物界の頂点ッ!!
もう、骨の髄まで旨みが染みこみ、
頭の先から尻尾の先まで旨いッ!!
皮も風味があり唸るほど旨いッ!!

『アイゴのさらねぶり
(皿を舐めるほど旨い)
という言葉がありますが、あれは冗談ではありません。
img_3425.jpg

ねぶりますよ。
もうね、
ねぶりまくります。




さて総評ですが、このアイゴ。
①内臓は腐りやすいのに、身は寝かせる。
②鱗が無いように見えて、実はある。
③ウサギ顔して、毒がある。

と言うように、非常に扱いの難しい魚でして、
市場に流通する事はほとんどありませんし、
あっても、アンモニア臭かったりします。

だからこそ、アイゴはキャッチ&イートの

『己で動物と向き合い、己で食材を作り出す』
という精神にベストマッチした獲物だと思います!!




 ikimasukaka.jpg

「さぁ~て、都会のネコちゃんはどんな反応をしてくれるかな?
アイゴの腹身(塩はしてない)だよ~。」




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(・・・お。)




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[ 2014/09/29 03:00 ] 釣魚料理メニュー アイゴ | TB(0) | CM(18)

お初にお目にかかりやす

初コメント失礼致しやす。
アイゴの喰い方の記事、楽しみに待っておりやした。
おかげさんで、今後のエモノが増えそうでありがてぇ限りでござんす♪
今度実践させていただきやす(^^ゞ
御免なすって♪
[ 2014/09/29 08:58 ] [ 編集 ]

初めまして

近場の釣り情報を探していたらここにたどり着きました。
釣りブログ一位だけあって、非常に楽しく昔の記事も読ませて頂きました^^
釣りだけじゃなく料理も詳しく書いてあるので、もしアイゴが釣れたら
このジビエさんに習って料理頑張ってみたいと想います。
次回の鯔料理のほうも期待してまーす。
[ 2014/09/29 12:12 ] [ 編集 ]

Re: 海おとこ さん

さっそくお控え下さり、誠にありがとうございやす。
手前、性は孤独、名はジビエ、孤独のジビエと申します。
迎えますお兄いさんには初のお目見えとこころえます!

釣って楽しく食べて旨い、癖になるアイゴの魅力を
知っていただけましたのなら、手前のブログ冥利に尽きるものです。
是非、万事万端によろしくお願い申し上げますw
[ 2014/09/29 22:02 ] [ 編集 ]

Re: ドラ さん

初めまして!
ブログランキングからいらっしゃったのですね!
誠にありがとうございます。
当ブログでは、失礼ながら詳しい釣り場や釣果情報を乗せる事はありませんが、
東京近辺で出会える動物達の事を、色々知っていただけましたら幸いです!
これからも是非、よろしくおねがいします!
[ 2014/09/29 22:06 ] [ 編集 ]

初めまして!

キノコを色々調べている時、コビチャニガイグチの回で貴ブログを知り、それ以来大ファンです!
私も釣り、キノコ採り、山菜採りが好きなので、毎回楽しく拝見しています。
かわいいイラストもお気に入りです(≧∇≦)
ただし、私は狩猟はやりません(^^;;

[ 2014/09/29 22:21 ] [ 編集 ]

こんにちは。
クッソ美味そうですな~アイゴ。こんな時間に食欲が…。スーパーでも売ってくんねぇのかなー。
やっぱ美味しく食べるには「熟成」なんですね。魚は熟成!!
[ 2014/09/29 22:34 ] [ 編集 ]

こんばんは。

干物ですかぁ、なるほどですねぇ。口にしたわけではないのに、ブログを読んだだけで美味く感じてしまいました。

今の漁場ではアイゴは釣れませんので、エソでも干物にしてみようかなぁ...。
[ 2014/09/29 22:50 ] [ 編集 ]

おはようございます
いやぁ、、朝から刺激的な写真

超美味しそうではないですか
腹減ったぁぁあ〜


お魚咥えたドラ猫で吹いてしまい、、
毒針にやられた描写で爆笑

笑いをありがとうございます〜
[ 2014/09/30 06:51 ] [ 編集 ]

マグロやブリの大型魚は別として、小さい魚の熟成は1日で十分かと思ってました
3夜干しなんて初めてだったので勉強になりました♪
[ 2014/09/30 08:18 ] [ 編集 ]

ご無沙汰しておりまする。
食べられるのですね。。。
アイゴ。
勉強になります。
釣れたら、蹴っ飛ばしてました(刺さらないように、そーっと)。
どうしようかな?次ぎ釣れたらどうしようかな。
この記事のおかげで迷ってしまいまする。
[ 2014/09/30 21:37 ] [ 編集 ]

Re: 黎明 さん

ご覧頂き誠にありがとうございます!

キノコからお越しいただいたのですね!
諸事情がありまして今期の『夏キノコ編』が抜けちゃいましたが、
秋キノコ編、是非御期待下さい~

冬場はしばらく狩猟編が進むと思いますが、
なるべく挿絵も多く描いて行きたいと思いますので、
御興味を持っていただけましたら幸いですw
[ 2014/09/30 21:48 ] [ 編集 ]

Re: 佐倉の山口さん

アイゴは身がブリンブリンしていて美味しいですよ~
1日寝かせた刺身はもちろんソテーにしても旨いッ!
しかし、アイゴは毒もある上、生〆ないといけないため、
手間に採算が合わず、アンモニア臭の無い肉が
安定供給されることは難しいようですね。

キャッチ&イートは、獲って食べる事と思われがちですが、
実は『獲って来た肉を、食材として加工し、料理して食べる』事なんですよね~
お店で売られている物はすでに食材ですからね。
キャッチ&イートの真髄は『熟成』にあると僕は思います!

[ 2014/09/30 22:00 ] [ 編集 ]

Re: 海流美丸 さん

一夜干しでもいいのですが、僕は2日寝かせて3日目に薄塩をする
三夜干しが一番美味しいと感じました!
刺身にする場合も1日寝かせると、コリコリ感はなくなりますが
身がしっとりとして、ふんわりと昆布のような旨みがでます。

エソッ!!エソはウンマィですよね~
骨切りして天ぷらッ!んン~・・・これシロギスよりも美味しいですw
[ 2014/09/30 22:05 ] [ 編集 ]

Re: マキさん さん

アイゴの干物は朝ごはんでもイケマスよw
頭も背骨も旨みが強く、ちゅ~ちゅ~しゃぶりたくなるため
やはり酒の肴に一番とは思いますが。

僭越ながら楽しんでいただき幸いでありますw
これからもよろしくお願いします~
[ 2014/09/30 22:08 ] [ 編集 ]

Re: ☆にょろり さん

アイゴ、東京湾でよく釣れるようになったのは
ここ10年ぐらいらしいですね~
南方の毒のある怪しい魚が釣れだしたら
やはり警戒しますよねw

しかし新規参入者でも、『ホンビノス』のように
市民権を獲得しだした動物も増えています。
おそらく、今後関東でもアイゴ釣り&料理は
活性化していくと思いますよ~!!
[ 2014/09/30 22:12 ] [ 編集 ]

Re: やんま さん

マグロは4日以上寝かせるといいますね。

熟成は何日でも構わないと思います。
腐敗の進行と歯ごたえをどこまで残すかの『食材との対話ッ』
・・・失敗してカリッカリになっちゃうことも多いですがw
[ 2014/09/30 22:26 ] [ 編集 ]

あー、似てる。うさぎに似てますよ。
以前アイゴを持ち帰って調理したら、
強烈なニオイのどろどろした内臓が身に纏わり付いて
ヒドイ味でしたが、生きてる内に捌けばいいんですね。
アイゴは煮つけってイメージでしたが、
焼き物にもなるんですねー。
[ 2014/09/30 22:44 ] [ 編集 ]

Re: ねぎ夫 さん

うぎょぇ――ッ!あの臭いをキッチンに持ち込んでしまったら、
奥さんから釣り禁止令を喰らっちゃいますねw!

アイゴは死ぬと急激にアンモニア臭くなるので、
まだ目がクリクリ動いている時から内臓を出してください。
スカリに入れてもストレスで死ぬので、絶対に釣り上げた時ですよ~

煮つけも身がパッツンパッツンして美味しいですよ~
身の熟成がしやすいので干物にした方が旨みは強いですね。
[ 2014/10/02 08:13 ] [ 編集 ]

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