ひとりで『解体』できるもん!

<前回はこちら>


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(狩猟で山を歩き回った後の解体作業・・・いつも大変なんだよなぁ~。
まぁ、今日の獲物はこの1匹だけだから、
皆で解体すれば20分も掛からないかな。)







sokonikddduituku

(・・・あれ?)





「あ、あの~皆さん?
そろそろ解体始めないと、日が暮れちゃいますよ~?」






お前が欲しいって言ったから貰ってきた獲物だろうが。
責任もって自分で解体しろ。



(うっ!厳しいッ・・・・。)









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(・・・いやしかし、当然の事だ。
自分の手で仕留めた獲物を
自分の手で解体できなくてどうする?


それにこれまで
イノシシの解体を手伝った経験もある。
大丈夫だ、手順は覚えている・・・はず。






(・・・おや?)


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(・・・ふ~む?)





なんだ?足に何か付いてたのか?




「いえ、このイノシシはやけに蹄の色が薄いなぁ~っと。
ひょっとしてイノシシではなく『イノブタ』なんじゃないかと思いまして。」





ひょっとしても何も、千葉県に生息するイノシシは
全てイノブタだ。




「え!?そうなんですか?」





noyohon.jpg



戦後の食糧不足などで、元から生息していたイノシシは
1970年代に絶滅している。
今、ここに生息しているのは
他所から移入されたイノブタだ。





「なんで千葉にイノブタが移入されたんですか?」




さぁな、詳しい事はわかってはいないが、
飼育していたブタが生き残っていたイノシシと交配しただの、
ハンターがイノブタを放逐しただの言われている。
どちらにせよ、俺達が
害獣として駆除しているのは
もともと人間の手で持ち込まれた動物だ。




「なんだか因果を感じる話ですね・・・。」




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(さて、さっそく解体を開始だ。
まずはデッキブラシでよく泥を落として・・・)



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(手持ちのこのナイフ(ネイビーナイフ)で腹を裂く・・・)





koretukae.jpg


「えッ?」




ハンティングに使用するナイフには色んな種類がある
って事を知ってるかな~?
腹裂きに使うナイフに、そんな厚刃を使っちゃだめよね。



ナイgagaフ2



「・・・・あ、そうでした!
確か腹裂きに適切なのは『ガットナイフ』でしたよね。」






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腹裂きで一番重要な事は『腹膜を破らない事』
皮膚に癒着している薄皮一枚を残して切る精密性が必要だから、
使用するナイフはエッジ(刃)が鋭い薄刃が必要だよ。
まぁ、ガットナイフがあれば一番いいけど、
カッターナイフやフェザー(かみそり)もよく使われているよん。






ドロップ1ポイント


「確か皮剥ぎ用のナイフは皮を破らないように、
切れ味が弱くてエッジが長い『ドロップポイント』
のナイフを使うんですよね?」





そだね。
ベテランには1本のナイフで何でもやっちゃう人がいるけど、
やっぱり道具は適材適所で使用したほうが仕上がりも綺麗だし
使ってて楽だからねぇ~。
値段が高いものじゃなくてもいいから、一式揃えておくといいよ~ん。










(なんとか借りたナイフで腹膜を傷付けずに腹を裂けたぞ。

ええ~っと次は・・・)







(ん?あれ?この部位固くて切れないぞ?
ええっと~・・・どうやって切り離すんだっけかな?)



koretukae - コピー



哺乳類の胸骨と骨盤は骨で繋がっているから
ナイフでは切り離せないよ。
そこはノコギリのような刃物で切らないと。




「あ・・・そうでしたっけ?」




img56207dfsGHdf688



僕のお奨めは『鋸鎌(のこがま)だ。
刃が上向きに付いているから、骨盤を切る際も
誤って尿道や直腸を傷つける事が無いからね。







胸骨と恥骨接合部を切り離したら、
肛門周りを切り取り、気道、横隔膜を切って
内臓全て引っ張り出そう。


「腹膜を破いていなければ、
消化器系をいっぺんに取り外せるから楽になるんですね~。」









(やれやれ、アドバイスを貰いながらだったが、
なんとか10分ぐらいで内臓摘出まではできたぞ。

しかし、これからが大変なんだよなぁ~。






次は皮剥ぎか?


「あ、はい。」





こまいシシは皮剥ぎが面倒で嫌なんだよな。
皮が薄くて破れやすいしな。





少ない脂を皮に残さないよう、慎重に削がないと
いけないから大型よりも面倒なんですよね。




肉の部位も小さいから歩留まりも悪いのよねぇ。



koretukae - コピー (2)

「あ、あの~・・・
一つ試したい方法があるんですが、やっていいですか。」



なんだよ?試したい方法って。
自分の獲物だ。好きなようにしろよ。



imgp8455.jpg

「ではまず、仔イノシシを簀巻きにします。」




imgp8464.jpg

「ここに、沸騰させたお湯をたっぷりかけます。」



「10秒ほど待って強く擦ってやると・・・

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「ほら、表皮と一緒に毛が剥けるでしょ?
これ、前に教えてもらった『湯はぎ』っていう方法なんです。」



あ~、九州や四国ではメジャーな方法
だって聞いた事があるね。



「毛が剥ける温度は70℃前後で熱湯はダメなんですが、
簀巻きの上からかける事で丁度いい温度になるんですよ。」




でも肉に付いた皮はどうするんだよ。
固くて喰えねぇだろ。




「いえ!大型の場合は固くて食べにくいですが、
仔イノシシの皮は柔らかくて最高ですッ!
少ない脂も全て食べれますしね~。」


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「またアバラ骨にバラ肉、背ロースを付けたまま解体する事で、
肉の歩留まりも良くなります。
このように、アバラに肉をタップリつけて解体する方法を
『チョップ』って言うんですよ。」




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へ~、こんな風に仔イノシシを
丸ごと下処理する事ができるんだね。



「ジビエの世界には、大型だから良い、小型だから悪いってことは無いんです。
どんなサイズでもそれに合った料理法があるんですよ~!」



皮骨付き肉ねぇ~。
そう言えば、沖縄や台湾料理ではよく出てくるよねん。
よければ一切れいただけないかしら?



「ええ、どうぞどうぞ!是非食べてみて下さい!
仔イノシシの皮の旨みッ!
絶対に虜になりますよ~ッ!





よし、今度から仔イノシシが獲れたら
全部湯剥きしてくれ。




「はい!

・・・って、全部ッ!?




<イノブタ料理編に続く>




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[ 2015/06/29 02:40 ] ジビエ料理メニュー イノシシ | TB(-) | CM(14)

いつもひとりだもん!(涙)

つい先日、元締めから電話があり「ウリ坊よりちょっと大きめの猪、かかっとるぞ?」と言われたのですが…あいにく仕事の日。職遁の術の使いすぎで休みがとれず穫りにいけませんでした。チャクラが足りない!(笑)

よって当方が前からやりたいと思ってた湯剥きを試すのはまた次回となりそうです。「寝巻き」を使う方法は今回ジビエさんの記事で初めて知ったので是非、参考にさせて頂きます!

…ところで今回の「イノブタ」のイラスト、セクシーですなぁ( ̄∀ ̄)なんだか今までのイラストと作風が変わったような…?
[ 2015/06/29 04:47 ] [ 編集 ]

どんなグループでもそいつしかできない突出した受け持ちや技術があると扱いがグッと良くなるよな
[ 2015/06/30 10:25 ] [ 編集 ]

Re: 槍のナガサKI さん

ぼくはひとりみだもん(泣)

湯剥きで一番いい方法はボイラーで75℃に沸かしたお湯を
5秒間ほどかけ続ける事ですが、寝巻きして熱湯をかけてあげても
同様の効果があるようです。
ただし、むっちゃ熱いのでゴム手袋は必須ですよ~!

銃のキャラは、初めに銃を描いて後からキャラを付け加えて描くので
自由にポーズが取れないんですよね。
あの一枚絵はただの絵の練習なので、もっと色んな構図で描いてみたい!
もっとオッパ・・・いや、なんでもないです。
[ 2015/06/30 23:57 ] [ 編集 ]

Re: banya さん

仕事でも同じですよね~
手に技術を持ていれば、喰いッぱぐれる事はありません!
日々精進ですね・・・。
[ 2015/07/01 00:01 ] [ 編集 ]

写真つきの解体工程、非常に参考になります。
いつかはぴよもスマートにイノシシとかシカとかを解体したいです。
でも、所詮「空気銃持ち」なので、四足の解体は夢のまた夢ですね^^;
ぴよもハンターの端くれ、なんとか肉自給率を上げたいです(>_<)

まずは、鳥の解体を極めたいと思います(^o^)丿
[ 2015/07/01 00:03 ] [ 編集 ]

うちの地域でも、豚の血を引くイノシシはいるようです
体重が100kg近いオスなのに牙が極端に短かったり、足先の毛が白かったり・・・
でも、こっちのほうが100%イノシシより脂のノリは良いような?

食べ比べた感じ、肉のやわらかいロリイノシシもいいですが、
脂の乗った熟イノシシのほうが僕は好きですね~
[ 2015/07/01 17:49 ] [ 編集 ]

Re: ぴよ さん

解体方法には地区によっても色々な捌き方があるようです。
エアライフルでは大物は・・・ですが、
もし機会があれば、罠、装薬銃への道も御検討下さいw
[ 2015/07/02 18:26 ] [ 編集 ]

Re: ラヂオペンチ さん

現在はほぼ全てのイノシシにブタの血が混じっているそうですね。
ちなみに記事に書いた「爪が白っぽいからイノブタ」と言うのは
俗説のようで、イノブタは第3世代以降になると外見上ほとんど
見分けが付かなくなるそうです;

イノシシはやはり脂が美味いッ!
しかし、次回はチビイノシシでも「ウンマぁーイ!」といわせる
料理をご紹介ですw

[ 2015/07/02 18:37 ] [ 編集 ]

寝巻き

 以前何度か解体の詳細をお願いした者です。今回の寝巻きは勉強になりました。寝巻きの素材はビニールですか?私は千葉で罠猟始めて3年目です。これからも貴重な情報お願いします!
[ 2015/07/05 07:39 ] [ 編集 ]

Re: 猟師の卵さん

今気づいたんですが、寝巻ではなく『簀巻き』ですねw
修正しておきます。

素材は園芸用の不織布を使いました。
しかし、あまり効率的な方法ではありませんでしたね。
ちなみに、お湯に付けて毛を毟ろうとしましたが
これは失敗でした。
毛を剥くためには『蒸らし』の行程が必要のようです。

これからも、色々な方法で湯はぎが出来ないか模索してみます!

[ 2015/07/06 23:15 ] [ 編集 ]

ずいぶん前の話でネイビーナイフを改造してもらうって話が合ったと思いますが、どうなったんですかね?
[ 2015/07/07 17:41 ] [ 編集 ]

Re: TZ さん

ネイビーナイフは先端を削ってポイントを出してもらいましたよ~
http://blog-imgs-61.fc2.com/k/o/d/kodokunogibier/imgp4379.jpg

ただ、こういった本格的なクリップポイントには加工できなかったようです。
http://blog-imgs-61.fc2.com/k/o/d/kodokunogibier/imgp4376.jpg

ナイフは新調しないといけないのですが・・・色々勉強中であります!
[ 2015/07/09 02:14 ] [ 編集 ]

こんちわ!

こんちわ!
同じ猟師のべん10と申します。
久々、ブログ村みて、そこから来ました!!
このイラストはご自分で書かれているんですか??

※リンク貼ってもいいですか??
[ 2015/07/14 00:42 ] [ 編集 ]

Re: べん10 さん

御無沙汰しておりますw

イラストは全部手書きしてますよ~
狩猟の世界を楽しくお伝えできるように
もっと上手く描けるようになりたいです!

リンクはいくらでも張って下さい~
これからもよろしくお願いします!
[ 2015/07/14 23:22 ] [ 編集 ]

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