100倍『もののけ姫』を楽しむ野生動物保護管理学

2015年5月29日、
拡大する野生鳥獣による農林業被害対策のため、
鳥獣保護法は、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律、
通称『鳥獣保護管理法』に改正されました。

日本の動物123456

この法改正により追加されたのは以下の2点、
1つ目は都道府県知事の権限で指定鳥獣(現時点ではイノシシとニホンジカ)
の個体数管理を『指定管理鳥獣捕獲当事業』として行えるように
なった事。
2つ目は
上記事業に参加できる法人を、都道府県が認定する
『認定鳥獣捕獲当事業者登録制度』が新設された事です。
シンプルに言うと、
都道府県は野生動物管理に係る事業を、公共事業と
同じ形で認定を受けた業者へ依頼する事が出来るようになった
事を
意味しており
、これは以前お話しした『狩猟ビジネスの第一段階』
が始まったことを意味しています。

さて、今回は狩猟ビジネス導入編として、この指定管理鳥獣捕獲当事業
の概要と、認定鳥獣捕獲当事業者登録の要項についてお話をしようと
思った・・・・のですが、



choujyuuhogokannrikeihkakuhou.jpg
面白くないのでやめました。

いや~、こんな超ニッチな話、詳しく聞かされても面白くないでしょうし、
記事を書いてても面白くありません。





mononokehimesdfsdfsdfs
そこで!ちょっと趣向を変えまして、今回の狩猟ビジネス導入編は
皆様もご存じ
『もののけ姫』のストーリーを追いながら、
ぜ今、野生動物の『管理』が必要とされているのか
について お話をさせていただきたいと思います。












もののけ姫と聞いて、皆さんはどんなジャンルのお話だと思われますか?
「アシタカとサンの和風恋愛ファンタジー

う~ん・・・まぁそういう一面も確かにあるのですが、
私は
『大河ドラマ』だと思っています。



歴史解説

もののけ姫のメインとなる舞台は、たたら文化が栄えた出雲国(島根県)の
斐伊川上流域で、時代は1300年~400年の室町時代中期です。

物語はこの川の下流で製鉄を営んでいた『タタラ師』が、より豊富な砂鉄
資源を求めて『ナゴの守』の山に足を踏み入れた事から始まります。

タタラ師1
 
ナゴノ森12  



歴史解説 - コピー2
ナゴの守に手も足も出なかったタタラ師ですが、
謎の女頭領
『エボシ御前』の参戦で一転攻勢、ナゴの守を撃退し山を占領します。

 エボシ御前2
 


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優良な砂鉄地帯と砂鉄の分離に必要な川、燃料となる木々を手に入れた
タタラ師は、エボシ御前の援助で大規模な『タタラ場』を建設します。

この人間達の侵攻に業を煮やしたのが『シシ神の森』にすむ
『山犬一族
でした。

 サン3

モロの君3  
 


歴史解説 - コピー - コピー

動乱の影響で難民や元奴隷が押し寄せるとタタラ場の人口は急増して
都市国家の装いを整えます。
この人口を賄うため、より資源の豊富なシシ神の森を開拓しなければ
ならなかったため山犬一族との戦争が始まります。
またこれと同時期に
蝦夷の地で、たたり神と化したナゴの守と『アシタカヒコ』
の戦闘が起こり、作品冒頭のシーンに繋がります。


 アシタカヒコは

 ヤックルVVV1
 



歴史解説 - コピー - コピー - コピー - コピー

アシタカが蝦夷を離れおよそ1年後、
山犬一族の長モロの君が、エボシ御前から致命傷となる毒弾
をくらい敗北。
サンの単身特攻作戦も失敗したことで、この戦争はタタラ場
の勝利で幕を引きます。


Handgonne2j.jpg
ところで、一連の戦いで決定的な戦力となった『石火矢”Handgonne"』
一体なぜこんな
兵器をエボシ御前は所有していたのでしょうか?
侍でもない彼女が、当時の最新兵器を所有しているのは不思議です。
実はこの訳には人間対人間と言うもう一つの戦争が絡んでいます。


ししれん

エボシ御前はもともと、朝廷の直属組織『師匠連』から『神殺し』
依頼を受けて出雲の地に派遣された先発部隊で、
石火矢は神殺しのために師匠連から貸し与えられた兵器でした。

つまりエボシ御前が
ナゴの守一族や山犬一族と戦争したのは
神殺しの障害を取くためであり、
タタラ師と行動を共にしているのは
ただ利害が一致していたために他なりません。

じこぼうまる4
 
殺し部隊  
 


任務遂行のためにタタラ師を利用していたエボシ御前ですが、
そのうちタタラ場に異常な執着を見せるようになります。
物語終盤、武装集団(浅野公方)から鉄を要求された事に対して、
エボシ御前は交渉する事もなく宣戦布告します。

浅野氏

もしエボシ御前が、このセリフのとおり神殺しの目的でタタラ場を運用していた
のだとしたら、ジコ坊の言う通り全ての鉄を渡してもよかったはず。
しかしエボシ御前はタタラ師に新型の石火矢を配備し自治権まで与えます。

これはいくら何でも肩入れしすぎ。
エボシ御前は本来の目的を無視して、タタラ師と理想的な国家を作る事が
目的なのか
?という話の引きからの・・・

mononkehimenosaidainomiseba.jpg
タタラ師を囮に使った最終決戦。
いや~、素晴らしいシーンだ!
この作戦の決行が、師匠連の催促に折れ仕方がなかったためか、
始めからタタラ師を神殺しのコマとしか考えていなかったのかは
エボシ御前が終始ポーカーフェイスなのでわかりません。
しかし、どちらにせよ
この時の心情は察するに余ります。

このように、もののけ姫を戦争ドラマとして見ると、
主人公は間違いなくエボシ御前です
是非ともエボシ御前の過去を描くスピンオフ作品を作ってもらいたいですな~。

侍1  

 御っ子と主



さて、話を本来の主人公であるアシタカに戻しましょう。
アシタカを中心に見ていくと、『アニミズム(原始宗教感)』
というテーマが見えてきます。

この作品には『神』という言葉がよく出てきますが、
動物のリーダーとしての神(モロの君、乙事主、ナゴの守など)と
『シシ神』は全く別の存在です。


ししがみさまとVVVVV

シシ神とは、一言で言うと『摂理』そのものであり、作中で色々な登場人物が
語るような「動物を総べる者」、「森の守り神」、「救世主」ではありません。


chiwotayasube - コピー (2)
『神』という概念をこのように捉える考えは、原始宗教、とりわけ
縄文宗教観に通じており、これを正しく理解できていたのは
モロの君と縄文文化の影響を受けたアシタカだけでした。

動物界の重鎮であるはずの乙事主やナゴの守は、死という摂理を
受け入れる事ができず『たたり神』へと変貌します。

たたり神たたる123
 



 さて、物語のラスト。
シシ神は『死』を振りまいた後、
少量の『生』を残して姿を消します。

mottomoiisi-n.jpg

ホンワカしたBGMに
幻想的なシーン。
視聴者にとっては「よかったよかった」と胸をなでおろすところですが・・・・
これ、どう見てもバッドエンドです。
植生の変化

そもそもタタラ場と動物は、『原生林』という天然資源を巡って戦争をしていました。
よって人間にとっても動物にとっても、植生レベルの低い草原地帯なんて
なんの価値もありません。

まず山犬一族のサン達は、野ネズミしか住めないような草原地帯ではエサを
獲る事ができず、この地を離れるしかありません。
例え森の賢者と呼ばれた『
猩々』が植林を進めたとしても、森が再生するには
最低でも20年かかります。

またタタラ師も燃料となる木材がないため、タタラ場を捨てるしかありません。
エボシ御前は「ここをいい村にしよう。」と語っていましたが、化学肥料の無い時代、
堆肥は森から得る(芝刈り)必要があるため農業も出来ません。
どんなに開墾を進めても保水力のない草原地帯では、地滑りと鉄砲水に悩まされ
続ける事でしょう。

さらに、シシ神の首を持ち帰る事に失敗したジコ坊とエボシ御前は、
師匠連から莫大な費用を無駄にした責任を追及される事になります。


結末は共倒れ誰しもがその後
「あの時死んだ方が楽だった!!」
と思うであろう最悪の幕引きです。


「シナリオに問題があるんじゃないか?」
とか
「こんな酷い結末は考えすぎなんじゃないか?」
とか思われるかもしれませんが・・・



うじゅりちちち

もののけ姫のキャッチコピー、
これがその後を生きる全ての生物に対して送られている
最大のメッセージとなっています。


<つづく>

年末年始はもののけ姫を見よう!
次回は年明け、皆さま良いお年を!


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[ 2015/12/23 01:36 ] 『狩猟』ビジネス! | TB(-) | CM(8)

♪許されるはずもない、Peace&Love

もののけ姫は…宮崎監督自身が言っている通り決してハッピーエンドは有り得ず、人と森が共栄する解決策が難解で答えが出せない。大事なのは一人一人が自分と自然について、常に立場を考え続ける事だろうと思うのですが…

それよりも何故ジビエさんは今頃もののけ姫をテーマに!? (笑)
次回その辺りの説明も楽しみにしています(^_^)


PS.スピンオフは無くした右腕に銃を仕込んだエボシが侍ギルド相手に大暴れするヤツでひとつ(当然顔は整形)
[ 2015/12/23 12:05 ] [ 編集 ]

Re: 槍のナガサKI さん

「人間と自然の共存方法」は命題ではないので
確かな答えというのは存在しません。しかし
確かな間違いというのは存在します。
それは『無関心』。
例えどのような立場であれ、意見が出される事は
問題の均衡点を探る推進力となります。
しかし、問題を認識する者がいなければ、状況は
停滞するばかりか時間と共に悪化していきます。
日本の野生鳥獣保護管理に関する問題も、
そのプロセスばかりを論じるのではなく、
まずは問題自体の存在を広く知ってもらう事が
重要だと思います。

・・・と言った内容を、
書いていたら面白くなかったので、今回は
もののけ姫のストーリー解説になりましたw


何を言ってるんですか。
僕が見たいのはエボシ御前の過去を明かすスピンオフ作品ですよ。
エボシさまの女子高時代の恋愛物語が見たいのです。
[ 2015/12/23 23:43 ] [ 編集 ]

長い3行で
[ 2015/12/24 00:18 ] [ 編集 ]

もものけ

キャラが本物より可愛くていい感じですね♪
あっ!
もののけだった~(笑)

メリークリスマスチュッ♪
[ 2015/12/24 16:30 ] [ 編集 ]

Re: 北摂の猟師1号 さん

エボシ様ばんじゃい(゚∀゚)!
シシ神は何も考えていない
ほんわか絶望エンディング
[ 2015/12/24 22:29 ] [ 編集 ]

Re: もものけさん

ハッピーメリーインスマス!
テケリ・リ、テケリ・リ・・・
[ 2015/12/24 22:38 ] [ 編集 ]

おもしろい

はじめまして。いつも読ませてもらっています。
自分は狩猟初心者ですが、山に入るようになって石碑やお宮が多く残っていることに気づきました。
そしてそれがタツ場の目印になっていたり。
もののけ姫よりずっと前から続く歴史の流れに、いま自分もいるんだなぁ…と。
タツを張りながら考えたりします。

続きのアップ、楽しみにしています。
[ 2015/12/27 11:31 ] [ 編集 ]

Re: かなぶん さん

はじめまして!

すぐ身の周りの名もない山にも、
道祖神などの人が生活していた跡が
残されていますよね。
山に入る事が少なくなった昨今、
先人の残していった歴史の跡を知るのは
もはやハンターしかいないのかもしれません。

ちょっとスパンが長くなりそうですが、
狩猟編、お楽しみに~w

[ 2015/12/31 14:42 ] [ 編集 ]

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