美酒佳鴨 『コガモの燻製』

<狩猟編はこちら>
IMG_9101.jpg
「そのカモなんて名前なんですか?」と通行人に質問され、
「コガモです。」と答えると、
「それで、何鴨の子なんですか?」
と聞き返されました。
いえいえ、これはコガモという種類の鴨ですからね!







IMG_9100.jpg
コガモの英名は"green-winged teal(緑羽の小さな鴨)"のとおり、
美しいエメラルドグリーンの翼鏡が特徴的です。
抜いてしまうのは惜しいですが、さっそく処理していきましょう。




DSC_6561.jpg

今回は羽毟りにちょっと一工夫。
熱湯の中に鴨を数十秒浸けて、毛穴が開いたところで毟ってみます。
羽は水分を弾くので羽毛までベチャベチャにはなりません。
結論としては・・・まぁ、『若干』剥きやすいかな?といった感じですね。



IMG_9107.jpg
さて、この後普通に捌いてもいいですが、
コガモはサイズが小さく歩留まりが悪いので
今回はコガモを丸ごと使った料理にチャレンジしてみましょう!





DSC_6577.jpg

まず、水に対して赤ワインを同量、塩を水の10分の1グラム、
ブラックペッパー少々、タイムなどのハーブを混ぜて火にかけます。
塩が良く溶けたらジップロックにコガモと一緒に詰めて、まる1日寝かせましょう。




DSC_6585.jpg
寝かせたコガモはよくソミュール液を切り、再び冷蔵庫で半日以上かけて
よ~く乾燥させましょう。



DSC_6594.jpg
さて、今回の料理は燻製です。
燻製と聞くと大掛かりな火器や燻製器やらが必要なように感じますが、
そんなものなくてもキッチンでできます。


まず、鍋にアルミホイルを敷き、ウッドチップを一掴みちらします。
次に、強火でチップから煙がモクモク出るまで炙りましょう。



DSC_6601.jpg

チップにある程度熱がまわったら極弱火に落して、
鍋に網をかぶせてコガモを並べて蓋を閉めます。


燻製には
『熱燻法(80~120℃)』、
『温燻法(50~80℃』、
『冷燻法(30℃程度)』

と3つの方法があり、それぞれ向いている食材や香り、ジューシーさ、
保存できる期間などが異なります。
今回はコガモの旨みを凝縮するために、水分がしっかりと抜ける温燻法でいきましょう。


IMG_3074.jpg

燻製時間は約2時間、温度が逃げるので開封厳禁です。
火を消したらさらに1時間ほどかけてゆっくりと冷まして・・・


完成!『コガモの燻製』

DSC_6608.jpg

おぉん!?「見た目が悪い」だと?

確かに料理に見た目は大事ですよ。でもね、

男の一人料理に”ソフィスティケーション”
なんて不要です。


DSC_6610.jpg

見てくださいよ、このコガモの肉汁がギュうぅ!と詰まった胸身、
もし胸身を解体した状態で燻製にしてしまうと、
水分と一緒にドリップまで落ちてパサパサになってしまいます。

特にコガモは、他の鴨よりも旨みが凝縮されているので、
最大限にコガモを楽しみたいのなら丸のまま料理するのが一番です。




DSC_6623.jpg
それになんと言っても美味いのは
首肉(せせり)腰肉(ソリレス)といった
小さすぎて解体できない部位!

わたしゃぁね、こういうチマチマした所が
好きで好きでタマラナイのですよ!


DSC_6850.jpg

美味い地酒をちびちびやりながら、
骨に付いた身をホジホジ、
腱をカミカミ、
骨をしゃぶりしゃぶり。
孤独な晩酌の食遊び。
いやぁ~、酒飲みに生まれてきて幸せだぁ!





👉Next:気を付けよう、「小鴨のメス!」
👉Prev:
野生動物でもたまにうっかりすることがあります。
👉オススメ:
鳥のジビエを食べ比べしよう!


[ 2017/01/30 12:10 ] アライグマ コガモ | TB(-) | CM(6)

カモ獲りたくなった!!

いいですね~
カモ獲れたらやってみよ! (遠い目)

料理もどんどんうまくなってますなぁ~
[ 2017/01/30 20:59 ] [ 編集 ]

燻製鴨南そばとか作ったら美味しそうですねぇ

羽むしりが面倒なら、食鳥処理用の脱羽毛機がン十万で売ってた気が…
お手軽にやるなら、ハンドドリルを改造して作ったり、洗濯機を改造して作ったり…
詳細は「Chicken Plucker 」で検索だ!!
[ 2017/01/31 20:00 ] [ 編集 ]

羽むしりは

溶かしたロウを使えば楽ですよ。
[ 2017/02/01 21:04 ] [ 編集 ]

Re: ひげさん

ハードルが高そうに聞こえる燻製ですが、
意外と簡単にキッチンでできたりします!
カモが獲れたら是非是非w
[ 2017/02/01 23:05 ] [ 編集 ]

Re: BB さん

ニワトリの食肉加工場で使われているプラッカーですね。
動画でみたことがありますが、見事に丸裸になりますよね~
電動ドリルとゴム板を使って自作できそうな気もしますが・・・
[ 2017/02/01 23:06 ] [ 編集 ]

Re: 55Gさん

ダックワックスですね!
以前ワックスを使ったことがありますが、
凄くきれいにむけますね!
ただ、今回のコガモは冷凍しており、
冷凍した鳥は皮が脆くなってワックスだと
ボロボロになってしまいます。
湯剥きでも結果的には同じだったのですが・・・
何か良い方法ないかなぁ?

お名前はエアライフルですねw
[ 2017/02/01 23:10 ] [ 編集 ]

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する