ちんちんかもかも 『ホシハジロの香菜生春巻き』

<狩猟編はこちら>

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ホシハジロ
カモ類の狩猟鳥の中でマガモ属と対をなすハジロ属、
その中でも最も日本への飛来数が多いのが、このホシハジロです。
ホシハジロはよく『海ガモ』と呼ばれますが、野池や湖など
淡水系に現れることも多く、よくオオバン先生と一緒に泳いでいます。


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さて、このホシハジロ。
オオバン先生ほどではありませんが
警戒心がかなり低く
近寄っても逃げようとしないので、しとめるのは簡単です。
実を言うと、私もこれまで結構な数のホシハジロをしとめて食べてきました。

では、
なぜこれまでホシハジロを紹介してこなかったか
と言うと・・・









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臭ぇぇぇぇぇんだよォ!!
このホシハジロ、実は肉がむっちゃくちゃ臭いッ!
例えるならば、海藻と魚を潰して発酵させてような海臭さ
「所詮カモ肉」と見くびって口に入れた瞬間
艦対空ガトリング砲で迎撃されたような反撃
を受けます。




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で、でもねっ!味は悪くないんだ!
その肉質はマガモに匹敵する旨味が凝縮されており、
この『クセ』さえどうにかできたら
食材として上玉に化けるはずなんです!!



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しかし、これまで柑橘系ソースなど色々と試してみましたが
どの食材もホシハジロのクセを打ち消すことはできませんでした。

・・・もはや残された手段はただ一つ。
『食材界の鬼神』に頼るしかないッ!!







その食材界の鬼神とは、タイ料理でおなじみの『パクチー』
英語ではコリアンダー、中国語では香菜と呼ばれるこのハーブは・・・



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臭ぇぇぇぇぇんだよォ!!
日本語では『カメムシ草』と名付けられたように、
噛んだ瞬間に漂う香りは、まんまカメムシ

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口に入れた瞬間受けるのは鬼神のごとき猛攻。
「所詮ハーブ」と見くびって食べると
タイガーアッパーカット
をブチかまされたような衝撃
が全身に走ります。


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さて、ここに揃ったパクチーとホシハジロの最強の両名。
私の考えではクセを打ち消し合ってくれると思っているのですが、
もし予想と違っていたら、俺はこの食材たちに
・・・




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まず、ホシハジロの胸肉を水から沸騰しない程度の火加減で20分ほど茹でます。
その後、火を切って30分ほど放置し、予熱で芯まで熱を通しましょう。
臭みを抜く基本は、茹でて臭みの元を揮発させることですが、
逆にクセが弱く旨味を閉じ込めたい場合は、前回のコガモのように燻製や
ローストといった調理法が向いています。


また、茹でたカモは冷蔵庫に入れて冷やしましょう。
温度が高いままだとクセも強く出ますからね。


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さて、よく冷やして薄く切ったホシハジロの胸肉。
これだけ見ると美味しそうに見えたので、ちょっと味見をしてみましたが・・・

やっぱり臭ぇぇぇよッ!!

特に皮には例の海臭がとても強いので取り除きました。
海鴨はわざわざ羽を毟るより、皮ごと剥いでしまっても良いでしょうね。



次にパクチーをサッと水洗いしてザックリとカットします。
袋から開けた瞬間は臭くなかったので、つまみ食いをしてみたところ・・・

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やっぱり臭ぇぇぇよッ!!
最近、女の子の間でパクチーが人気だとかいう話を聞くけど、
マジ言ってんの?





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刻んだパクチーに、さっと下茹でした春菊とゴマを入れ、
ごま油、ナンプラーで和えましょう。


さて、このまま『カモとパクチーのサラダ』でもいいですが、
今回はちょっと工夫を凝らせて、タイ料理ではおなじみの
『フォー(生春巻)』を作ります。


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まず、市販されている生春巻きの皮(ライスペーパー)は乾燥されているので、
水にサッとひたしてまな板に置き、1分ほど待ちます。





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固さがなくなってきたら野菜を手前に置き、
カモ肉は真ん中寄りに置きましょう。



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このまま手前から野菜を巻いていき、
肉にかかる寸前にライスペーパーの左右を折り畳みます。
もし、長ネギなどの飾り野菜を入れたいのであれば、
肉を巻き終わる手前に挟み込みましょう。




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フォーの巻き方は簡単そうに見えますが、水分が少ないと皮が破れてしまい、
水分が多すぎるとベチャベチャになってしまうので意外とコツが必要です。

フォーは水に漬けてからじわじわと柔らかくなっていくので
全てのフォーをいっきに水に漬けてはだめですよ(1敗)



というわけで、完成!
『茹でホシハジロとパクチーの生春巻き』
!!

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タレは市販のスイートチリソースです。
カモ肉無しや、ベビーリーフだけなど色々作ってみましたが、
さてはて、ホシハジロとパクチーの組み合わせは
奇跡が起きるか臭殺されるか、
いざ・・・
実食ッ!!



 







 
・・・んぐッ!!


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うんおおおお!!
どういうことだッ!まったく臭くないッ!!

初めはパクチーかホシハジロのクセが、
一方を支配する形でまとまると思っていたが、
違うッ!融合しているッ!
仲よくお互いを支え合っているッ!!
パクチーの青臭さはホシハジロの海臭さを浄化し、
ホシハジロの旨味はパクチーの味気無さをカバーしているッ!



『カモネギ』という言葉があるように、カモ肉はセリ科の野菜と相性がいいことは
知っていたけど、このホシハジロとパクチー(セリ科)の相性は正に絶妙!
おそらく相方がマガモやネギだと、相方のクセに押されて負けていたことでしょう。


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これは相性というレベルではなく
ベストカップリング!!
「ちんちんかもかも」な間柄です!




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歩留まりの悪いカモはこうやって食べよう
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クセが強くてもオイシイお魚




※[注意] 当ブログに登場するキャラクターは実在の人物とは一切関係はありません。
[ 2017/02/13 00:00 ] アライグマ ホシハジロ | TB(-) | CM(4)

美味しそう!!

いつも楽しく見てます!

台湾出身の自分は、臭い肉には慣れてまして、色々な肉を自分で捕って食べれるジビエに非常に関心があります…ありますが、収入の少ない家族持ちの私は、趣味でも始める事が難しいので、東京の高田馬場にあるジビエ料理を出してくれる居酒屋に行くのが精一杯です。

いろいろ、知らない世界を紹介してくれるブログに感謝です(*・ω・)
[ 2017/02/14 09:47 ] [ 編集 ]

パクチー

いつも楽しく拝見しております。

一つ思ったのですが、「パクチーが臭い」のではなく、「カメムシが良い香り」なのでは!?笑
ということで、次はホシハジロとカメムシのコラボ料理ですかね(^^)
[ 2017/02/15 02:32 ] [ 編集 ]

Re: ちっこい さん

はじめまして!

台湾料理にはいろんな肉を使うんですか!?
東南アジアに旅行した人に聞いた所、日本のパクチーはまだましな方で、
本場のはもっとカメムシ臭いがきついそうですねw
高田馬場のジビエ料理レストランは初耳ですね。
こんど行ってみます~
[ 2017/02/16 18:12 ] [ 編集 ]

Re: 110ito さん

カメムシが・・・・いい香りッ!?
確かにそうかもしれないと思って、キュウリ畑に大量発生していた
カメムシをつぶして嗅いでみたところ・・・


『やっぱ臭ぇぇぇぇょ!!!』

ちなみにタイには本物のカメムシを食べる文化があります。
http://y108.cbslocal.com/2010/10/12/stink-bug-remedy-eat-them/
[ 2017/02/16 18:23 ] [ 編集 ]

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