新刊 『これから始める人のための わな猟の教科書』

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先日6/26、狩猟の教科書シリーズ第3弾、累計5作目となる拙書
『これから始める人のための わな猟の教科書』
がリリースされました。



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 今作は、くくり罠の有名メーカー・オーエスピー商会様のご監修のもと、
くくり罠と箱罠を中心に、その仕組みから仕掛け方、ジビエ料理や
毛皮なめし、さらにスカルトロフィーの作り方まで、
”初心者にもわかりやすく”をモットーに解説をしています。

 さらに前作『エアライフル猟の教科書』と同様に、江頭大樹さんのイラスト
とマンガも豊富に載せておりますゆえ、わな猟をまったく知らない方でも楽しんで
読んでいただけるのではないかと思います。




ご購入はAmazon、もしくは紀伊国屋書店やジュンク堂などの大手書店にて
お求めください。
ちなみに、内容がニッチなためか、図書館にはあまり入っていないようです。



まぁ宣伝はこのぐらいにして、今回は前回の続きをかねて出版後記をば。






『わな猟』ってぶっちゃけどうなの?
 
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わな猟の教科書の取材は、日本中の色々な罠ハンターさんに話を聞きに行った
だけでなく、僕自身も狩猟者登録をして、某県の山奥で2カ月間
山小屋に引きこもって罠猟をしていました。
そこで感じたことですが・・・

わな猟って、う~ん、面白いッ!
銃猟は目の前の獲物に向けて銃を放つ『スポーツ的』な面白さがありますが、
わな猟は獲物のフィールドサイン(足跡など)から存在を予想する『知略的』
な面白さがあります。
いうなれば、わな猟は釣りとまったく同じ楽しさがあると感じました。
銃猟の楽しみはスピアーフィッシングと似てます)





・・・でも、問題も多い。


ただ、もちろん罠猟には初心者の参入を拒む3つの大きな要因があります。

その1つが土地的要因
わな猟は猟犬を使った銃猟者との”ナワバリ争い”が起きていることも多く、
土地によっては『わなハンターお断り』の場所もけっこうあります。
実際に僕も知らずに罠をしかけて、後日地元のハンターさんから
お叱りをうけたこともあるぐらいです。
(「おめー、こんなとこに罠かけて、うちの犬がケガしたら、どぎゃ責任とるんか!?」)
このようなローカルルールは役場に聞いてもわからないので、
その土地に住んでいる人しか罠猟はできないのが現状です。

2つ目が時間的要因
罠猟の原則である『毎日見回り』という要求は、都心に暮らしている
人にとっては酷です。
通勤・通学の途中に罠を見回って、獲物がかかっていたら早退して解体?
そんなのぶっちゃけ無理な話です。






アナログとデジタルの進化に突破口が!?

わな猟の問題を解決に導くであろうと私が期待している活動の一つが
現在、東京五日市・檜原村で行われている
『罠シェアリング』です。

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罠シェアリングを一言で説明すると「罠の集団猟」で、
『罠の資材費や見回り、再設置などの手間を分担し、獲物はシェアしよう』
という活動です。
これは、従来の罠猟が単独で行い、猟場や狩猟技術は秘伝にするのが当たり前
だったのに対し、罠シェアリングではあらゆる垣根を越えて罠猟を楽しもうという
革新的な活動だといえます。
さらにこの活動では、獲物の運搬や解体、毛皮なめしといった狩猟免許が
いらない活動については一般人も参加できるため、”狩猟”という間口を
広げることにも一役かっています。

実質的に銃猟
(+猟犬)の共同体である『猟友会』に変わる
罠ハンターの共同体として、罠シェアリングは今後日本各地に広がっていく
活動になるんじゃないかなと思っています。
罠シェアリングの代表者である小川さんも、
「罠シェアリングの活動がドンドン広がってほしい(ノウハウも教えるよ)」
と言っていたので、僕も福岡県で来期あたりに似たような活動を開始したいと
考えております。
https://ja-jp.facebook.com/jibierKYS/





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 罠シェアリングというアナログな進化と合わせて、デジタルな進化も見逃せません。
その一つがIoTを使った『罠通報システム』で、特に僕が注目しているのが
SIMカードを使ったIoTトレイルカメラと、2017年に日本へ本格参入が
決まったLPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる通信技術です。

細かな解説は本をご覧いただければと思いますが、
箱わななどのスポット的な通報システムにはIoTカメラを、
くくり罠などの広範囲に仕掛ける罠にはLPWAが、
今後応用されていくことになるとみています。










➃動物愛護者とどう付きあうか?


わな猟のかかえる問題は、地理的要因と時間的要因の2つがありますが、
さらにもう一つ、
おそらく永久的に解決することは無理であろう問題点があります。

それは・・・動物愛護者との摩擦(人為的要因)です。
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いや~、今回の本を執筆するにあたり、
動物愛護者の方々から様々な形で抗議の声をいただきました。
出版社の方にも『出版差し止め要求』の電話が、
ガンガンかかってきたそうです。
まぁこれらの声のほとんどは中身のない罵詈雑言なわけですが、
なかには動物愛護者の思考が透けて見えるような意見もあり、
ハンターとは認識レベルで相容れない部分があることがわかりました。




まず、動物愛護者の方たちにこれだけははっきり言っておきましょう。
『ハンターは好きで
動物を殺しています。』
つまり動物愛護者の「動物を殺すな」という主張とハンターの主張は
完全に対立しているのです。

これを聞いたハンターの中には、
「僕は日本の農林業が守りたくてうんぬんかんぬん」や
「命の大切さを知るために
うんぬんかんぬん」とのたまう人がいますが
”綺麗ごとを言うなッ!”


少なくとも
狩猟を3年以上続けている人(免許更新をしている人)は
動物をしとめることに楽しみを見出していると断言します。
これは現代社会の中では抑圧されている、人間が本来持っている
暴力性やリビドー、嗜虐的欲求を狩猟という行為で発散させている
からだと僕は考えています。
なにはともあれ「農林業を守りたいから狩猟をしている」という意見は、
社会的意義を失いかけている
ことが数値的にも明らかなので、
動物愛護者にココを突かれたら「ぐう」の音も出なくなります。
(僕が動物愛護者ならこの意見で論破します)


「暴力性」や「嗜虐的欲求」という言葉に引かれる方もいると思いますが、
僕はこのような感情を持つのは人間という動物にとって当然
だと思います。少なくともこれからの若い人たちや子供たちにとっては
ポルノと暴力にまみれた
空想世界(マンガやゲーム、ドラマなど)
で本質的欲求をマスターベーションさせるよりも、
狩猟という活動を通して発散させる方が健康的だ
と思っています。


しかし、もちろん狩猟は獲物を苦しませることは本意ではありません。
もがき苦しむ姿を見て恍恍忽忽することは、人間の本質的欲求の解消ではなく
ただの変態趣味です。
よってハンターには、『狩猟は楽しいんだ』という自己の意識を
明確にすると共に、獲物を確実に・なるべく苦痛を少なくするように
しとめることが求められることになります。
(ヨーロッパの狩猟哲学では、上記に加えて『狩猟を芸術に昇華させる』
といった理念が組み込まれているそうです。う~む、興味深い。)





そういえばもう一例、
動物愛護者の方から『アニマルウェルフェア』を持ち出した
批判を受けたことがありますが・・・・そりゃまったくのお門違いの話です。




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簡単にアニマルウェルフェアについて解説すると、
あれは人間の創造した家畜に対して、様々な福祉活動を展開しようという
考え方です。
よって、狩猟に対してアニマルウェルフェアを持ち出した動物愛護者の意見は
人間が野生動物よりも上位の存在である
ことを根底にした、まったくもって
おこがましい考えであるといえます。
動物愛護者はよく「かわいそう」という言葉を口にしますが、
これも自分たち人間が”神”のような力を持っているという意識から来る
上から目線の発言だといえます。

野生動物は人間に慈悲や庇護を求めてはいけません。
「人間は銃や罠などのテクノロジーを駆使して、ようやく野生動物と
対等な力になれる」ということは、狩猟を続けていると痛感させられます




(つづく)



[ 2018/06/27 01:11 ] おしらせ | TB(-) | CM(6)

家畜は人間の都合に合うよう作られた生物ですよね。
「動物を解放する」とか言う愛護がいますが、どういう意味かいまいちわかりません。 給餌をやめて野に放つのが解放なのか、家畜化された種は絶滅させるのか。
[ 2018/06/27 04:54 ] [ 編集 ]

北海道で7年程狩猟をしているゆとり(猟友会内で見れば)ガキンチョですが愛護関係者の言う可哀想も私は間違ってるとは思いません
私自身蝦夷鹿や羆を先輩たちに指導されながら数え切れないほどこの数年で捕獲して来ましたが捕獲時に日常では得られない高揚感と共に哀切さも覚えます
特にキツネの駆除は胸に来るものがありますね

あと農業被害への有効性もデータ上の数値以上に銃は貢献していると思いますよ
北海道では昔からデントコーン畑に羆が住み着いてしまう事があり私含め農業関係者には即効性のある実力を持って確実に排除出来る銃は絶対に必要だと考えます
データとして記録される農作物被害や人的被害以外にも恐怖感と言った大型野生動物が農業従事者に与える影響は大きいと思います
[ 2018/06/27 23:53 ] [ 編集 ]

Re: ちたけ さん

動物愛護の人たちがおかしな点のひとつが、
『動物』という言葉に家畜も野生動物も含めていることですね。
人間の創造物である家畜に情を持って接するアニマルウェルフェアは
僕は支持していますが、野生動物に対して行っている言葉は、
ただのエゴだと言えます。

少なくと、彼の人らが言うように「すべての動物を解放」したいのであれば、
全ての種を家畜化して、野生動物は絶滅させるという、
神の所業をみせなければならないでしょうね。


[ 2018/06/29 21:50 ] [ 編集 ]

Re: もーもー さん

はじめまして。

ハンターが動物を捕獲した時に感じるのは、
動物愛護者の使う「かわいそう」ではなくて「哀愁」ですね。
ことが済み、興奮が冷めやって感じる『残心』という感情です。
少なくとも、自分の手で殺した動物を見て
「かわいそう(命が失われたことに対して同情する気持ち)」
が湧いているのだとしたら、行動と心理が一致していない一種のサイコパスです。

『駆除の効果』については、かなり誤解を受けやすい表現だったとおもいます。
そこでもう一度説明をすると、ブログ内で私が述べているのは、もっと大極的な話ですね。
例えば、もーもーさんが駆除を行っている地区や、付加価値の高い作物を
育てているような場所では、駆除にかけた費用と経済的利益がペイできている
所もあると思います。
しかし現在、多くの場所では、駆除の費用が経済的利益を上回っており、
野生動物を駆除し続けることが果たして社会的に有効といえるのか
疑問視される状況になっています。
そこで『駆除前提の対策』から、『人間の居住環境から見直そう』
というのが、前々回の私の主張であります。

この地球上で人間と野生鳥獣と共存していくには、
銃と罠を使って猟圧をかけていくことは必須です。
しかしここでは戦術の話をしているのではなく
もっと根本になるドクトリンを見直すという話をしているわけです。


[ 2018/06/29 22:23 ] [ 編集 ]

はじめまして。
狩猟者の「好きで殺している」発言は開き直りなのかと思いましたが、コメント欄を読んでそうではないと少し理解できたような気がします。
狩猟行為のもたらす社会的な効果をもって、狩猟を肯定的な主張へもっていくほうが論理的に思えたものの、ストレートに本能の為せる部分に起因すると理由づけするほうがどんな飾り立てた主張より反証しやすいのかなと。

他の野食ブログを読んでいると、生体への興味、食への好奇心といった単純な欲求が動かしているように感じますし、読者もそれを追体験して欲求を満たしているわけで。
これからも面白い記事を期待しております。
[ 2018/07/06 21:52 ] [ 編集 ]

Re: デスデスくん

はじめまして。
『マズローの欲求5段階説』という考え方を借りると、
狩猟をすることは「日本の農業を守りたい!」といった高次の『自己実現欲求』
を満足させるものではなく、より本能的な『承認欲求』を満足させるためにある
のだと僕は思っています。

例えば「俺、こんな獲物が取れたぜ!すごいだろ!?」という他者承認、
「狙った獲物が一発で倒れた!俺つえーー!」という自己承認の欲求を
満足させるものです。
猫がネズミを咥えて飼い主の前にあらわれる、あれぐらい低次で、
本能的な欲求を満足させるのが狩猟という行為だと僕は思っています。
(さすがに現代の狩猟を食欲などの生理的欲求に絡ませるのは無理があります)

狩猟をする人は、まずこの『承認欲求』が人の常にあり、欲求を満足させる
ことに対して”喜びを感じるのだ”ということを認める必要があります。
本能的な欲求の満足を理屈や御託を並べて覆い隠しても、必ずどこかで
矛盾が生じてしまいます。

ちなみに西洋では「獲物をしとめた!」という結果に対して承認欲求を
得るだけでなく、芸術活動として承認欲求を満足させる方向に
狩猟という行為を昇華させています。
例えば、銃に彫金をしたり、狩猟行為を絵画や彫刻にしたり、
”トロフィー”という形で残したりすることです。

これからのハンターは、
狩猟は『人間の本能的な欲求を満足させている』ということに加えて、
『動物をしとめる欲求を満足させる手段ではない』ということも、
理解しておく必要があるのだと思います。


[ 2018/07/09 23:10 ] [ 編集 ]

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